豪ドル/円相場は、82円台後半まで値位置を切り上げる展開になっている。リスクマーケット全体の地合改善を受けて、高金利通貨・資源国通貨に対する物色意欲が強くなっていることが好感されている。豪ドルの独自材料は乏しく、リスク投資全体の地合を眺めながらの展開になる。8月7日にはオーストラリア準備銀行(RBA)政策決定会合が開催されたが、為替市場では特に材料視されなかった。
RBA政策会合であるが、政策金利は3.50%で維持することが決定された。昨年11月から今年6月までに累計1.25%の利下げが実施されていることもあり、その効果を見極めるスタンスになる。これで、2会合連続で政策変更は見送られた。スティーブンス総裁は、買い入れコストが「中期平均を若干下回る水準」との評価を店、「こうした変化がもたらす影響を全面的に知るには時期尚早だが、住宅価格はこの数ヶ月でやや安定してきており、過去半年の気象向け融資は数年ぶりの力強い伸びを記録した」と、これまでの緩和効果を評価している。「豪ドル相場は依然として高止まりしている」との警戒感も示されているが、当面はこれまでの緩和効果を見極めるステージが続くことになるだろう。豪金融政策環境は材料視しづらい状況にある。豪金利の上昇傾向が、日豪の金利差拡大を背景とした豪ドル高・円安を促すも、大きな値動きには発展しないだろう。
この結果、引き続きリスク投資全体の地合を見極める展開が続く見通し。即ち、リスクオンで豪ドル買い、リスクオフで豪ドル売りとなる。目先は、欧州債務問題や世界経済の減速状況より、政策対応期待がクローズアップされ易い地合が、豪ドルをサポートすることになる。リスクオンの地合が続いている間は、豪ドルは買われ易い地合が続くことになる。
今後1週間の予想レンジは、81.75~84.00円。